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英語のオンライン会議を乗り切るためのポイント3つ-同時通訳者が解説-

英語のオンライン会議を乗り切るためのポイント3つ-同時通訳者が解説-

2022年4月2日に開催された同時通訳者が解説!英語上級者のためのオンライン会議ハック(スピーカー:会議通訳者 木内 裕也氏)の講演を一部再構成したものです。

1. 世界的なオンライン会議の増加

国際会議やビジネス会議などの通訳の場でも、オンライン会議が増えてきました。オンライン会議にとてもうまく参加している人と、そうでない人がいます。必ずしも英語が上手だからオンライン会議が得意とは限りません。

ではオンライン会議でどうすればもっと上手に発言できるか、についてお伝えしたいと思います。

まずは今回のお話のテーマをオンライン会議だから難しい」のか、それとも「(対面の会議でも)オンライン会議でも難しい」のかの二つに分けたいと思います。

例えば音質が悪い、相手の顔が見えない、会話に割り込みにくい、これらは「オンライン会議だから難しい」のかもしれません。一方、特定のアクセントが聞き取れない、また会話が勝手に進んでしまうなど、これらは英語力の問題かもしれません。そうであれば「オンライン会議でも難しい」ということになります。

2. オンライン会議だから難しい

会議の音質が悪い、相手の顔が見えない、カットインしにくい、相手に伝わってるか不安、よく聞く困りごとです。でも日本語の会議だとたとえオンライン会議であってもそれほど気にならない。なぜかといえば会議全体の森を見るスキルがあるからです。つまり、細かいところが少しわからなくても全体が取れていれば気にならないのです。

例えば、皆さんが日本語でラジオを聞いている時に雑音が入ってしまっても、全く内容がわからなくなるということはないと思います。なぜかといえばそれは皆さんが森(全体)を見ているからです。同じように英語でも、森を見るスキルが必要です。

2.1 森(全体)を見るスキル

森を見るためにはサマリーの練習が有効です。一分間の音声教材を聞いて、2センテンス、3センテンスに枝葉ではなく森が見えるようにまとめてみる。スクリプトがある音声教材を使えば、まとめたものが話の全体像をきちんと捉えているか確認することができます。

意外と日本人はやらない練習だと思います。真面目な学習者は全てを訳そうとしてしまう。そうではなくて重要なところを取捨選択して取っていく、こういった練習をたまにやるだけで森を見るスキルがつきます。

2.2 相手の顔が見えない

まずは自分のオーディエンスは誰かということを考えてみてください。参加者が何人であっても今日の会議はこの3人に伝えたいという場合は、その3人に何らかの反応をもらえればそれでOKです。全員に訴えるのではなく、本当のオーディエンスは誰かということを考えてその人に伝えるということ、これは心持ちもそうですし、物理的にもその人たちに確認を取りましょう。「Aさんわかりましたか」、「Bさん大丈夫ですか」と実際に聞いてみる。そうするだけでも、相手の顔が見えないことの不安は解消されると思います。

2.3 カットインしにくい

会議でのカットインは、いわばスーパーのレジの割り込みと一緒です。決して礼儀正しい行為ではないのにそれをやれと言ってるわけですから、礼儀正しく列に割り込む必要はありません。どうぞ礼儀悪く列に割り込んでください。

例えばジョンの話し中にカットインする必要があれば、”Hey, John, John, John, John, John”とジョンを5回ぐらい言ってもいいです。実際にそう言ってカットインする人はいます。

きちんと理解しようとしているな、と思われれば、ちょっとやり方が荒くても認めてもらえます。礼儀正しくカットインするのではなく、カットインすることが正しいと意識を切り替えてください。

また、なるべく早いタイミングでカットインすることが重要です。会議が始まってからずっと発言せず、終わりに近づいてから発言しようとすると、参加者は「お、ついに彼が発言するぞ。相当すごいことを言うに違いない」と期待をしてしまいます。カットインしにくいからと躊躇していると、どんどんカットインしにくくなってしまう。カットインはネイティブスピーカーも苦労しています。あなただけではありません。

2.4 formativeとsummativeという考え方

カットインにくいというのは自分の言いたいことが相手に伝わっているか不安、自分が相手を理解しているか不安というところにも繋がっています。ここでお伝えしたいのは、formativeという考え方と、summativeという考え方です。教育学の分野ではformative assessmentとsummative assessmentというように使います。

2.5 formative assessment

例えば学校で毎週出される20個の漢字テストがformative assessmentです。細かく進度を確認していくテストです。オンライン会議では相手が見えないため、取り残されるリスクが対面よりも大きいですから、formative assessmentのアプローチを使って細かいタイミングで、自分のみならず相手の理解状況を確認していくことが必要です。

formative assessmentはテーマが変わる前に行うのがいいと思います。例えばアジェンダのアイテムが3つあればその1つが終わった時です。また参加者全員に聞く必要はありません。例えばAさん大丈夫ですか、Bさん大丈夫ですかとか、そういう感じでちょっと聞いてみるのもいいでしょう。

2.6 summative assessment

一方、summative assessmentは中間テストや期末テストです。会議が上手な人は対面の会議であっても会議の終わりに今日の内容をまとめます。オンライン会議の場合は、よりsummativeの重要性が高まります。

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3. オンライン会議でも難しい

次にオンライン会議でも難しいという話をしていきたいと思います。

3.1 英語のアクセント対策

苦手なアクセントというのは、対面でもオンラインでも聞き取るのが難しいです。アクセントの克服方法は、苦手なアクセントの音声を聞くのがいいと思います。例えばスコットランドのアクセントが苦手であれば、ニュースやYouTubeで見て慣れるということです。

3.2 会話が勝手に進む

会話が勝手に進んでしまう時に、ちょっと立ち止まってもらえるような、短い表現を準備しておくのも有効です。例えば少し丁寧すぎるかもしれませんが、Excuse me.でもいいですし、Can I ask you a question?やHold on a second.など、すぐに使える具体的な短い文を持っておくのもいいでしょう。

4. 英語でのオンライン会議対策

4.1 会議のやり方を変える

実はネイティブスピーカーもオンライン会議に対してものすごく困ってます。ですので手法を変えるということも有効です。対面会議をそのままオンラインに変えてもうまくいきません。そもそもの会議の環境が違うので、やり方を変える必要があります。

例えば対面では10時から12時にみんなが参加していた会議をオンラインにする場合はAさんは10時から10時15分、Bさんは10時15分から10時30分、Cさんは10時30分から10時45分、時間差にするのもいいかもしれません。

また、紙の資料をPDFにして事前に配布していたやり方から、一つの資料を画面で共有する方法に変えることもできます。

環境が違うということで会議のやり方自体を変えてみましょう。

4.2 オンライン会議を言い訳にする

日本人以外のノンネイティブスピーカーも英語の会議に対して苦手意識があると思います。その苦手意識を利用しましょう。

オンラインでみんな困ってるでしょう、だからなるべく画面共有をしましょうよ、画面共有があれば文字も見えるしリスニングだけに頼らなくてよくなりますよ。

オンラインでみんな困ってるでしょう、だから、なるべくカメラをオンにしてくださいよ。

そういった形でオンラインを言い訳にして会議をすすめましょう

4.3 グランドルールを作る

オンラインを言い訳にするのと同じように、オンラインでみんな困ってるからカメラオンにしてください、オンラインでみんな困ってるからなるべく簡単な単語を使いまししょう、短い表現を使いましょう、ゆっくり喋りましょう、といった会議のグランドルールを作ることもできます。グランドルールは事前にメンバーに伝えておいて、毎回のルールにしておくということも一つの対策方法です。

ここで、カメラについての注意です。通訳者としてカメラをオンにしてもらえたら、それほど嬉しいことはありません。しかし、オンにしたくない人には相応の理由があり、その人たちに対するケアもすごく大切だと思います。法律社会のアメリカではもしオンにすることを強制して、見たくないものが見えてしまった場合、見てしまった人に責任が行くと言われます。ですので、強制するのではなく、可能であれば最初だけオンにしてください、最初の自己紹介だけはオンにしていただければ、と伝えるのがいいと思います。

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