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短期間でTOEIC750以上にするための通訳式勉強法-同時通訳者が解説-

短期間でTOEIC750以上にするための通訳式勉強法-同時通訳者が解説-

同時通訳者は語学のプロですので、英語力判定テストの一種であるTOEICでも高得点を取り、中には990点の満点を取っている通訳者も数多くいます。

そもそも通訳者がデビューする前に通う通訳学校の募集要項が「TOEIC900点以上」となっていることも多いため、TOEICの受験経験がある通訳者がほとんどです。

そんなTOEIC高得点の通訳者ですが、全員が全員帰国子女でもありませんし、留学経験もなく、日本国内で英語の勉強をしたものも少なくありません。TOEICもいろいろ工夫しながら独学で学習して高得点を取っています。

今回はTOEICのテキストやスクールで勉強したけれど、なかなか点数が上がらないTOEIC600点の中級レベルの方々向けにTOEIC750点を超えるための通訳者ならではのTOEIC勉強法をご紹介します。

1. TOEICは高得点になるほど難しい

2022年2月に実施されたTOEICの日本人の平均点は600点程です。
(IIBC 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC公開テスト 平均スコア・スコア分布一覧参照)

しかし、ビジネスで英語を使う場合にはもっと高い点数を求められます。英語を使う仕事を希望している場合、履歴書に書くにはTOEIC700点以上は欲しいところ。また、昇進・昇格のためのTOEIC最低点数を700~750点としている企業も多くあります。

TOEICは300点から500点に上げるよりも、同じ200点でありながら600点から800点に上げる方が難しくなってきます。目標スコアが高くなればなるほど点数を上げるのが簡単ではなくなっていきます。

現在のTOEICスコアが600点であっても、企業が求める700点以上の壁は簡単ではなく高いものなのです。

2. 英語の基礎力を鍛える

TOEICの勉強方法はたくさんあります。TOEIC対策を行っている英会話スクールやオンライン英会話のレッスンを受講することもできますし、独学で勉強することもできます。

独学も公式問題集や模試を何度も繰り返す、文法強化のためにおすすめの文法問題や参考書を解く、模試を繰り返す、またパートごとの点数アップを図るために、単語帳にまとめて単語を覚える、リーディング対策として英語の長文に慣れるためにニュース記事を読む、リスニング力強化のために英語の教材を聞く、よく出る語彙やフレーズを繰り返す、などやることはたくさんあります。

それらの学習法はもちろん重要です。問題に慣れることも、単語を覚えることも、TOEICの点数を上げるためには必要な学習方法です。

今は、スマホのアプリを活用し、自分に最適なものを見つけることもできます。アプリであれば忙しいビジネスパーソンのためには隙間時間を使い、毎日の習慣にしてTOEICの勉強を継続していくことは十分に可能です。

しかしこの学習方法は400点の初級レベルから600点の中級レベルまで押し上げるにはOKですが、そこから750点以上の上級レベルまでは難しいのも事実です。 単語力や文法力の基礎以外にも必要な英語力を鍛える必要があります。

3. 同時通訳者のTOEIC攻略方法

3.1 問題のロジックを読みとる

英語と日本語にはロジックの違いがあります。そして通訳者はロジックをつかむのが得意です。

英語らしい英語を話し、英語を本当の意味で理解するには、日本語とは全く違ったロジックを理解する必要があります。実力のある通訳者はこの英語のロジックをよく理解しています。そしてスピーカーの思考回路を読むのを得意としています。

情報をインプットしている通訳者の頭の中では、「なるほど、AだからBで、その結果Cとなり、だからDという結論なんだな」というように、話の筋を常に追っています。その結果、情報を羅列として理解するのではなく、整理した形で理解できます。

好きなスポーツとそれほどでもないスポーツを1つずつ思い浮かべてください。好きなスポーツのルールは、きっとある程度系統立てて説明できるのではないですか? 

例えば「サッカーでは、手を使うことは許されていません。しかし例外もあります。それは自陣のペナルティーエリア内にいるゴールキーパーと、手が偶発的に競技者の手や腕に当たった場合です。ですから、今回の様に競技者が意図的に手を使って味方選手にボールをパスした場合は、ハンドリングの反則になるのです。」のようにです。しかし、それほど好きではないスポーツの場合、何となくルールは知っていても、ここまで論理的に話をすることはできないでしょう。

ロジックがあるとは、その情報を本当の意味で理解していることです。これはリスニングもリーディングも同じです。ですから、TOEICの試験の場であっても、話の筋を理解しながら聞く、読むことが重要です。ただ長文問題を読むのではなく、ただ正解か不正解かを練習問題を解きながら考えるのではなく、話の筋をきちんと追うトレーニグをすることは有益です。

その問題文のロジックを常に意識して取り掛かりましょう。

3.2 根幹の情報を逃さない

通訳者の頭の中が「???」で埋め尽くされていても、ある程度のクオリティーで訳出ができるのは、通訳者のトレーニングの中に、根幹の情報を逃さないトレーニングがあるからです。言い換えればBig Pictureを捉えながら思考する、と言えるでしょう。

例えば、なぜか「日本は世界で1番大きな国です」と聞こえたとしましょう。Big Pictureが分かっていれば、「今インプットされた情報はおかしい」とすぐに分かります。本当は第5回目の世界大会であるのに、スピーカーが「本日は第4回の国際会議にご招待いただきありがとうございます」と言ってしまっても、通訳者は落ち着いて「第5回」と言いなおすことがあるのと同じです(そうすべきかどうかには、色々な議論がありますが)。

このようにBig Pictureを捉える訓練で強調されるのは、「要するに何を言いたいか」「結局のところ、何なのか?」ということです。例えば皆さんも、それほど好きではない上司が会議で発言していたり、話の長い人の意見を聞いていて、「色々言うのもいいけど、結局なんなの?」と感じた経験があるのではないでしょうか? この結局のところ、というのがBig Pictureであり、根幹の情報です。

「午後6時に薬局の前のマクドナルドで待ち合わせ」という情報は、「元気?」「元気だよ。最近会ってないね。」という情報より重要ですよね。TOEICの特にリスニング問題では非常に凝縮された情報が与えられがちですが、その環境でも「あ、これは待ち合わせの約束だな」と理解すれば、場所や時間の情報に意識を集中させることもできるでしょう。

こう読むと、非常に難しいプロセスのように感じるかもしれません。しかし私たちは日常生活の中でこれを実践しているのです。

例えば大学の授業で、教授が話した内容をすべてノートに書いていましたか?そんなことは無いでしょう。自然に重要な情報と、そうではない情報を取捨選択していたはずです。それと同じことです。試験という特別か環境にいることで、どうしても集中が難しくなりがちですが、これは特別なスキルではありません。

3.3 知りたいという強い気持ち

ただ単純に「知りたい」と思う気持ちがTOEICのスコアに影響すると書いたら、あまりに抽象的と思われるかもしれません。しかしこの気持ちが、実は通訳者の理解を促進する役割を果たしているのです。

TOEICは英語のグローバル化を反映して、アメリカの英語だけではなく、世界各地の英語を網羅しようとしています。しかしそれでも英語検定試験という枠組みがありますから、あまりに強いアクセントは出題されませんし、会話が聞こえにくくなるような雑音が入ることもありません。しかし通訳の現場では、ものすごく強いアクセントも、時には技術上の問題で雑音が入ることもあります。しかし多くの場合、音声が全く入らない場合や、明らかに理解が不能な場合を除いて、「音声の調子が悪いため、通訳できません」ということはありません。例えば皆さんがCNNなどの海外のニュース番組の同時通訳を聞いていて、その様なセリフを耳にしたことはないでしょう。

この背景には、「訳出ができなければ、次の仕事が無いかもしれない」「誤訳したら、次の仕事が無いかもしれない」そして究極的には、「仕事が無かったら、路頭に困る」という切実で素直な気持ちがあります。これはものすごいプレッシャーです。ただ単にテストだから問題を聞こうとするよりも、同時通訳者のような強い気持ちで問題内容を「知ろう」とすることは、読解や聴解への取り組み方が強化されます。

これはTOEICにかかわらず、同時通訳者が行う英語学習方法シャドーイングでも「伝えたい」という気持ちや「理解したい」という気持ちが大切なのです。

大切な人に伝えたい、と思うように、大切な人の気持ちを理解したい、と思って問題に取り組めば、少しくらい分からないことがあっても、「自分のできる範囲内でも理解したい」と思うのではないでしょうか。その様な気持ちを持ってTOEICに望むことは決して精神論ではありません。

4. TOEICの勉強で英会話力も一緒に高める

TOEICの高得点が必要とされる一方、点数が高いのに実際の英語を使う場面に活かせない、英会話が苦手ということをよくお聞きします。

確かにTOEICの点数といった場合、TOEIC Listening & Readingのことを指し、スピーキングやライティングといったアウトプットのスキルを図るものではありません。そのためいくらTOEICの勉強をして高得点をとっても実際の英会話などビジネスで英語を使うのが難しいと思われるかもしれません。

しかしそれは学習方法次第で、TOEICの高得点を取りつつ、実際の英語力を向上させることも可能です。

それにはやはり同時通訳者の英語学習方法が適していると言えるでしょう。

5. 通訳メソッドを使って英語力を上げる

5.1 シャドーイング

聞こえた音声を聞こえたまま即座に「声に出して真似る」トレーニングです。
単なる音読とは異なり、発音やイントネーション、さらには感情まで徹底的に真似することで、《新傾向問題の感情や意図を問う問題》も克服します。正しいやり方で行えば総合的な英語力向上にも非常に効果的なトレーニングです。
最初はとまどうかもしれませんが、慣れてくると真似るスピードも速くなっていきますし、リスニングの上達を実感できます。

5.2 リプロダクション

聞こえた文章を記憶し、音声を止めて自分で「英文を言い直す」トレーニングです。
自分で英文を組み立てることによって、「知っている」単語や文法の知識を「実際に使える知識」へと変え、《文法知識を問われる設問をスピーディーに解く》を身につけます。

5.3 パラフレージング

同じ意味の文章を異なる英単語や構文を使って「言い換える」トレーニングです。
本文と選択肢での言い換えを理解し、《選択肢から正答を瞬時に選び取れる》ようになり、実際のスコアアップに直結します。

5.4 スラッシュリーディング

英文の意味の切れ目に「区切りを入れて読む」トレーニングです。
英語をより正確に、より大きなかたまりで文章を理解していくことができるようにして、《長文問題を正確かつスピーディーに理解するスキル》を身につけます。

5.5 ディクテーション

聞こえてきた英文を「書き取る」トレーニングです。
音の変化を理解して書き取るので、音と単語が一致し、聞き取る能力が飛躍的に向上します。会話やアナウンスなどの《リスニング問題で正確に必要な情報を掴める》ようになります。

6. まとめ

6.1 TOEIC学習法

これまでの内容で、TOEICと通訳の間には思わぬ類似点があるのを理解していただけたでしょうか? 

今は市販の教材だけでなくオンラインの授業も充実していますし、スマホのアプリや学習サイトなどたくさんの学習方法があります。中には無料のコンテンツも数多く、学習するモチベーションがあればどんな方法をとってもTOEIC高得点を獲得することは可能です。

しかし、特にTOEICを必要とする社会人の方や就活中の大学生など勉強時間が限られています。また自分の独学では弱点克服方法がなかなかわからないという方もいらっしゃるでしょう。

そんな方向けにテンナイン・コミュニケーションでは現在の中級レベルから上級レベルに点数を上げたい方に特化し、1か月の短期間で効率よく学習できるプログラム、One Month Program TOEIC®をご提供しています。

6.2 短期間で結果を出すためのプログラム

One Month Program TOEIC®ではシャドーイングやパラフレージングなどの通訳メソッドを使って効率的に学習していくのはもちろん、一人一人に担当の日本人トレーナーがプログラム完了までをサポートいたします。

トレーナーは全員講師経験もあるスタッフですので、プログラムの中でわからない点もすぐに質問することができますし、学習方法についてもコーチングいたします。

無料カウンセリングではレベルチェックを含めご自身の課題の洗い出しや効果的な学習方法などもアドバイスしております。
プログラムの詳細もご説明いたしますので、お気軽にお問合せください。

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